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耳を疑った。
を逸らした僕に、彼女は言った。 目の由来がわかったような気がし 待ち合わせ場所に少し遅れて現 「まず、トイレ」
た。地べたに仰向けに横たわる僕 れた彼女が言った一言を、頭の中 この夜、僕が主導権を握ること は、呆然とその姿を眺めた。あり でゆっくりと再生し直す。 は一度もなかった。
とあらゆる体位を見せられている 「あー、おしっ こしたい」
彼女に連れられるがままに着いような気分になった。 あの一言で覚悟が決まった気が た先は、渋谷にあるボルダリング 頂上付近まで辿り着いた彼女は、 した。今夜、見えを張るのはやめ スタジオだった。一度やってみた 僕を見下ろしニコッと微笑んだ。 よう。
かったらしい。普段、体をほとんニャー、と鳴いた気がした。 「あわよくば、君を抱きたいと思ど動かすことのない僕はまったく 「そこから唾、かけてくれないか ってる」
できなかった。そもそも、何かにな......」 頭の全毛穴から汗がにじみ出て 登りたいと思ったことがない。 僕は何を考えているんだ。最初 くるのを感じた。彼女より先に目 そんな僕を尻目に、彼女は初め の自分の謎の宣言と、今の自分の
てとは思えない華麗さで登りはじ 惨めな姿を思い返し、なんだか泣 める。あの切れ長の愛くるしい猫 けてきた。

汗をかいた後は、奥渋へ連れて いかれた。雰囲気のいい立ち飲み のバー。周りは「夜の遊び方、知 ってます」と名刺に書いていそう な連中ばかりだった。
ボルダリングで全握力を奪われ た僕は、中ジョッキを両手で飲ん だ。その姿を見て彼女は笑った。 ニャー、と鳴いた気がした。
この辺からの記憶があまりない。 9時前にお店を出たと思う。彼女 の歩く方向が駅方面から道玄坂方 面へシフトチェンジしたとき、一 瞬だけ酔いがさめた。
先導する彼女が振り返って僕に 言った。 「抱きたいんでしょ?」
翌日の筋肉痛が心地よかったこ とだけは鮮明に覚えている。
不機嫌かと思いきや、いたずらっぽく笑う。 彼女のペースに振り回されるのは、 なぜだかちょっと心地いい
猫のように瞳の色を コロコロ変える彼女が 情熱的な顔を最後に見せた
X 芸人 シソンヌ・じろう
永尾まりや ながおまりや●'94年、 神奈川県生まれ。T159 B80W60H85。'16年に AKB48を卒業後は、モ デル・グラビアタレン ト・女優として活動。 出演する映画『ゴース トマスター』が12月6 日より新宿シネマカリ テほか公開

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